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「ポスト真実」…日本ではそんな物は、もう、古い。

最近、「ポスト真実」なんていう言葉が一部で流行ってますが、私からすれば「いまさらなんだ」と言う感じしかないんですよね。最低でも日本では、そんな物は15年前から半ばシステムとして作られてて、民主党政権交代した09年あたりには、もう、完全に「商売」として成立していた訳ですから。アメリカのこの間のあれこれは、日本の真似をしてるようにしか私には見えないです。

アメリカの場合の「ポスト真実」と言う言葉には、実は、それを言う人達が信じてきたもの・信じてきた人達の醜悪さや隠したい事実を暴いた人々に対する攻撃も、多く含まれています。(この辺りは、WikiLeaksで、米大統領選のヒラリー・クリントン候補の選挙陣営が、裏で物凄く汚いことや洒落にならないことをやっていたり、ヒラリー・クリントン自身がアメリカ国民に致命的な嘘をついていたのが暴露された、The Podesta emails ( https://wikileaks.org/podesta-emails/ ) 辺りを巡る話が非常に面白いのですが。)
しかし、日本の場合は、そういう構図が殆ど無いんですよね。そこが、最大の問題なのかもしれません。

記事その1。

http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1612/28/news105_4.html
はちま起稿を買収したDMM、元管理人・清水氏ら主要メンバーを雇用しステマ関与か 取材に対し隠蔽工作
(中略)

はちま起稿をDMM.comが運営していた場合、何が問題なのか。今後DMM.comが問われるであろう責任や疑念などについて、ここで簡単にまとめておきます。

 冒頭で書いた通り、そもそもはちま起稿というサイト自体、無断転載(著作権侵害)やデマ拡散、偏向報道などの問題行為を過去に起こしてきた、いわゆる「悪質まとめサイト」の1つです。こうした「素行に問題のあるサイト」を、DMM.comという「企業」が運営していた、というコンプライアンスの問題がまず1つ。

 また、はちま起稿がこれまで数々の問題行為を起こしながら、特に大きな罪に問われなかったのは、「個人サイト」であり、「運営元がはっきりしない」という言い逃れの余地があったからとも言えます。しかし今後は、今まで謎に包まれていた「運営元」が明らかになったことで、これまでは見逃されてきた数々の問題の矛先が、全てDMM.comや、売却先のインサイトに向く可能性もあります。

 もう1つ大きなものは「ステルスマーケティングステマ)」問題です。DMM.comがはちま起稿を運営していたとなれば、はちま起稿を隠れみのにして、DMM.comが自社作品のステマ、あるいは他者作品のネガティブキャンペーンを行っていた可能性が出てきます。特にはちま起稿のゲーム記事は日ごろからネガティブなものが多く、ステマネガキャン)を疑いはじめればキリがないほど。その一方で、DMM.comのオンラインゲーム「カオスサーガ」がわずか1日で閉鎖(他ゲームの素材流用が指摘されていた)した時の扱いは、不自然なほど小さかったという指摘もあります。
(後略)


記事その2。

https://www.buzzfeed.com/kotahatachi/korean-news-xyz-2

韓国デマサイトは広告収入が目的 運営者が語った手法「ヘイト記事は拡散する」

「ソウルで日本人女児が強姦された」と拡散された韓国にまつわるデマ。サイト運営者がBuzzFeed Newsの取材に語った目的と手法は。

2017年1月、「韓国、ソウル市日本人女児強姦事件に判決 一転無罪へ」というニュースがあるサイトで公開され、SNS上で急拡散した。BuzzFeed Newsはこれがデマだと突き止め、今回、サイト運営者が直接インタビューに答えた。
(詳細は記事で)

まとめサイト問題は、「政治」が最初だった。

日本での歴史的な経緯を少し書いておきます。2000年代のはじめに、「国立二小事件」と言うのがありました。当時の学校や教師の政治的姿勢を巡って、一部の生徒が教師に詰め寄って土下座させたという、デマです。これは、2ちゃんねるの噂話から、産経新聞が取り上げ、大々的に報道し、右翼団体が学校に押しかけて学校側が全面謝罪するという事件でしたが、この時、2ちゃんねるでは、このデマ報道を加速させるような書き込みがどんどん書き込まれる一方、デマに晒された当事者やデマの標的を擁護する書き込みをする人達が袋叩きに遭うばかりではなく、デマへの反論が優勢になったりすらも、したわけです。

そして、イラク戦争が始まり、そのような傾向が露骨になっていったわけですよ。イラク戦争に反対する人達が意見表明をすれば袋叩き目的だけではなく、意見表明した人達を直接誹謗中傷するためにデマをもとにしたスレッドが多数立ち上げられる一方、その人達を擁護する書き込みが優勢なスレッドや、擁護目的のスレッドが、軒並み停止(スレスト)されたりもした。
そういう事が繰り返されていって、2ちゃんねるがデマを沢山使ってでも、特定の人達…左翼であったり在日外国人であったり…を叩きたい、それどころか私生活まで暴いたり家や職場までストーキングしたい人達が支配的になっていったと言うのが、2012年のお家騒動で西村博之が追い出されるまで、延々と続いて行ってたんですよね。
そして、その2ちゃんねるの書き込みをもとにして、2ちゃんねるで攻撃対象になっていた人達を面白おかしく罵る目的で、スレッドの中身を編集して「まとめる」ブログサイトが、確か2006年位には沢山でき始めていました。
そのような中で、第一次安倍政権が発足し、このような人達が激しさを増していったことは、特筆すべきことだったと思います。時の政権の方針や作ろうとした法律・政策に反対する人達を、とことん軽蔑して罵り・攻撃する「まとめブログ」が、ものすごい勢いで増えていった。

まとめサイトの標的が、政治絡みから企業や個人に。

ここまでは、「政治」が主目的だったのですが、それが、麻生政権から鳩山政権になっていく間に、政治以外にも「まとめ」の範囲が拡がっていった訳です。それまでも、ゲームやアニメの話題で「デマをまとめ」るサイトはありましたが、それは、「政治」に人を引きずり込むための「釣り餌」でしかなかったのですが、そうではなく、そういう話題で人を振り回すのが主目的のサイトができたり、政治目的から離れていくサイトが出てきたのです。特定企業に対して、おもしろおかしくデマを編集して、あたかも事実であるかのように伝えていくサイトというのが、出てきました。

そのような流れの中で、最初に引用した記事のようなサイトが、問題になっていった部分が相当ある訳です。

まとめサイトで注意しないといけないのは、見た目は誰も損をしてないわけですよ。デマの標的にされてる人達を唯一かつ最大の例外として
こういう、デマを撒いてる人達はお金も入るし、色々と精神的にも満たされることも多いでしょう。
デマを撒く事で、経済的だったり政治的だったりの理由で大きな利益を得る人が、いる。
デマに踊らされる人は、気持ちのいい話を見たり聞いたりする訳ですから、そりゃ、気持ちがいいし、考えるという非常に面倒なことも相当部分しないですむから、疲れない。ただし、デマがデマだと気づくまでは。
デマの標的にされた人は、それこそ非常に不幸で、仕事先をクビになったり、商品が売れなくなったりするだけではなく、ネットで荒らさるどころか、知らない人から、怒りのこもった電話が沢山かかってきたり、わけのわからない手紙や荷物がたくさん来たり、果ては家を特定されて張り込まれるようなストーカー被害にあったり、黒い街宣車が押しかけたりする。

日本の「ポスト真実」は、金のなる木になってる

まとめサイトには、沢山お金が出されています。それは、最初は政治がらみの金だったり宗教絡みの金だったりしましたが、それと一緒に、アフェリエイト広告のような形で、ページを見たり、リンクを辿って物を買ってくれた人の数に応じてお金がもらえる広告を沢山貼り付けていますから、そこからの収入も、バカにはならない。

そういう中で、政治絡みのデマもあれば、企業絡みのデマもあり、その上で個人・例えば貧困に苦しんでる姿をテレビに出した人が、実も蓋もないもない罵倒とデマと、下衆の勘繰りを書かれたものがそういうまとめサイトを経由して、あたかも事実であるかのようにばらまかれ続けてる。

そういう時代に、私達は生きてしまってるのだ。と言う覚悟のようなものが必要になってきてると私は思うのです。
面白おかしい話や、わかりやすい話というのも、そりゃ、大事なんだけど、そこだけで終わらせていたら、どんどんデマとかある目的でわざと広められるような、事実をおかしな形にゆがめた話ばかりを信じるようになっていっちゃうんですよね。
かと言って、マスコミがどうかと言えば、当たり障りない話ばかりならまだしも、特定の人達(今の政治の主流であるような人達)に都合悪い話はほとんど報じないで、そこに反する人達や、政治によって痛めつけられてしまうような人たちに対しては、デマも含めてウソを流して恥じないメディアが大半を占めるようになってる。

そうすると、人はどんどんと、世の中に絶望していくし、かと言ってマスコミなどを全部拒絶すれば、「バランスに欠けたおかしな人」と言う、世の評判・レッテルが待っている。

カモにされることばかりの世の中を乗り切る術は?

マスコミに反する話・まとめサイトのような話とは反する話を、ただただ信じていけばいいかと言えば、それはそれで大問題で、それではまとめサイトの類をかるがる信じる、「カモ」にされてる人達となんら変わらないわけでもありますね。
アメリカで「ポスト真実」と言う言葉を喧伝して、批判してる人達の多くは、このような「カモ」にされてる人達と変わらない人達で、そうであるがために、アメリカで、多くの人達から顰蹙を買っていて、「ポスト真実」としてのデマとか思い込みをばらまく人たちの話を信じる人が増えてしまうという極めて皮肉な状況にすらなってしまってる訳です。日本も、この構図はあまり変わりないとも思います。

要は、知識に対する姿勢とか、情報に対する姿勢という物自体が、今の時代、非常にシビアに問われてるという話なんですよね。
一旦疑うだけではなく、疑うにしても自分の考えを確立するために、物凄く広い範囲の情報を集めて、自分の中で重み付けしていかないといけないし、そこで事実とズレたら、なんでずれたのか考えないといけないという事を、日夜繰り返していかないと、自分や支援者・下手するとそれらですらなく自分が所属してるグループ・共同体の利益のために、デマやウソ、事実を大きく歪めた話を、大きな声でばらまく人達に呑み込まれて「いいカモ」にされちゃうんですよね。

カモがカモと自覚してない間は、気持ちがいいものですが、しかし、それで苦しんだり暮らしが壊れていったりするのを背負うのは、自分一人と、せいぜい家族でしかない訳で。カモが欲しい人達からすれば、お金は入るし、権力や権威ももらえるし、世の中振り回すという快感も手に入るし、気に入らない人を蹴落としたり潰したりするのに、自分の手を汚さないで済む訳で。

そういう人達に騙されないようにすることが、この、壊れていってる社会を乗り切り、壊れた先に、自分たちが少しでも暮らしやすい・楽にできる世の中へと建て直すためには、大事なことの一つではないかと、私は思うのです。