民進党の「惨敗」から、この国の政治の欠陥を、考えてみる。

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 都議選で、民進党がどうにか壊滅は免れたものの、議席を減らしてしまったことから、民進党内で、色々と批判が出てるようです。
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 これを読んでいると、「共産党との連携をやめろ」とか、「執行部・特に野田幹事長は退任して、若手でやり直すべきだ」などの意見が噴出したようです。
 民進党や、その前身である民主党がなぜ、支持を失ったかと言えば、「態度の決まらなさ」があまりにひどすぎることと、元総理でもある野田幹事長や蓮舫代表ら執行部が、誰の方を向いてるのか全くわからない態度や政策を繰り返してる。と言うことにあると思うんですよ。
 要は、目先の事に飛びつくのはいいけれど、鳩山政権や菅政権の時のように、「まずは国民(日本に住む全ての人。と言う程度の意味です。国籍ではなく)の方を向いて政治をやろう」というのではなく、目先の政治・今の与党との裏取引的な駆け引きばかりをやって、何をやろうとしてるのか全く見えなくされてる上に、国民の期待を裏切ったり、国民を苦しめる政策や選択を、平気でやってしまうという、ダメさが、ひんしゅくを買ったままである。と言うことになるかと思います。
 つまりは、自分たちの保身を最優先で考えるような人達ばかりが、執行部や国対などの、党のありようを決めるところにいる上に、連合中央のように、大半の国民の意思や要望と正反対のことを求め続けてきた「御用組合」の人達の意見を、過剰に取り入れたりもしたお陰で、「この人達は自分が可愛いだけなんだ」と言う失望に繋がってきたと思うのです。

 何故こんなことになったかと言えば、この国の選挙制度に問題がありすぎるからだと思うのです。
 この国の、衆議院選挙制度は、「小選挙区制」「比例代表制」をミックスしたものになっています。小選挙区制では、一つの選挙区に対して、一人しか当選できません。そして、比例代表制では、政党や団体に対して投票して、票の数に応じて(ただし、日本の場合は得票が多い政党ほど、票の割合よりも多い候補を当選させられる)当選させることが出来ます。
 そして、衆議院参議院も、そして、都道府県や市町村の議会も、議員定数が非常に少なくなっています。一定人口あたりの議員数は、いわゆる「先進国」「民主主義国」の中でも、最低ランクになってしまってます。
これらのことから何が起こるかと言えば、

  • 強い組織の後ろ盾がある人が、当選しやすくなる。
  • 政党の力が強くなり、なかなか政党の執行部や党首の言うことに対して逆らえなくなる。
  • 政策や実績があっても、組織の後ろ盾がない人は、当選が非常に難しくなってる。

と言う事が出てるわけです。

貧乏人や普通の人が、選挙に出られないような酷い日本の制度。

 そして、更には、日本の場合には供託金を積まないといけないという制度があって、国会議員ともなると、300万円から600万円のお金を、選挙管理委員会に預けないといけない。そして、法律で決められた割合の投票を得られなくなると、没収される。
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 その上で、選挙に出て仕事を辞めてしまうと、再就職も非常に難しくなると言う問題もある訳ですよ。再就職が難しくなるから、議員の椅子にしがみつく。議員の椅子にしがみつくためには、連合の執行部派や宗教団体・日本会議のような、動員力のある組織の顔色を伺い続けないといけなくなる。
 更には、政党助成金の問題も出てくる。政党助成金のお陰で、政党の中枢の意見に反する動きをすると、お金の配分や組織動員の支援が減らされるだけでなく、最悪の場合、次の選挙での公認もされなくなってしまうから、政党の中枢の意見と自分の考えが全く違っても、逆らうことができなくなってしまう。

 これらの事は、末端の人の事を見ない・見てもその人達のために動くことの難しい政治家や、そのような人達をはなから切り捨てるような執行部、国民の要望に答えるよりも、政党間の取引や身の回りの議員やスポンサーとの関係を重視する政党執行部。と言う、ひどい状況を作りだしてるのです。
 そして、それらが組み合わさることで、そもそも「水戸黄門願望」が異常に強い日本の国民性がそれらに噛み合って、「おまかせ民主主義」と言うか、「政治は面倒だから、政治家に任せっきりにしておけばいい」と言う空気のようなものが蔓延することになりました。
 そして、マスコミも、その事を煽り続け、今ある選挙や政治家の大問題を、報道しないどころか、特定の人達・例えば、財界であったり、霞が関の官僚の中でも、今安倍政権を操ってるとされてる経産省などの高級官僚などの利益や意見を、中立な意見に見せかけて、報道する事が、つい最近まで非常に多かった。

政治の主役は、政党ではない一人一人である。

 こういう事が、この日本を、壊していってるのです。そして、上の方では景気のいい話があっても、下の方では全く景気が良くないどころか、どんどん物価が上がり・国保や年金も含めた税金が上がり、どんどんと生活が苦しくなっている。

 いい加減、この手のことを、私達が主役になって変えていかないといけないと思うのです。
 衆議院小選挙区制はやめ、比例代表制も見直させる。議員定数は、国も地方も、せめて、今の二倍にはさせる。供託金制度は、廃止させる。そして、民進党には、国民の方を見てる共産党などの政党との連携を強化させ、与党との裏取引を許させないようにする。
 そういう事を、民進党だけではなく、共産党社民党自由党を含めた野党四党に、まずはひとりひとりの人が働きかけ、その他の政党でも、維新の会のように自民党のアリバイのためにあるような政党以外の政党の人へと働きかけていかないといけないと思うのです。
 私達が、政治を変える。野党に期待するしない以前に、野党に対しては、こちらから意見を言う事を沢山の人が、自分の言葉と考えで伝えることで、野党を変えていく。という心意気が、崩壊を迎えてしまった今の少し後を、今よりマシにしていくために必要なことだと、思うのです。