「男女交際する人がスクールカーストの最底辺に追いやられる」現象が起こってる。

 色々と問題が噴き出していて、世情が荒れ始めていますが、このことを取り上げようと思います。
『2017.09.08 「ボイス」宮台真司 「妊娠した生徒を排除する日本の教育のダメさをぶった斬り」』(10/8まで公開)
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 これは、「荒川強啓デイ・キャッチ!」と言う、TBSラジオ(東京)で夕方に放送してる時事系の番組で、宮台真司教授が今の若者の性に関する意識と性教育の関連を論じた部分なんですが、非常にショッキングな中身だった訳ですよ。
性感染症と望まぬ妊娠のことしか性教育で教えていない」事などにより、「高校生や中学生の中で、恋愛する人が無条件でスクールカーストの最下位に押し込まれるようになり、恋愛から撤退する若者が急増してる」と言う中身の話で、子供の言動やふるまいから薄々感じていた事が、事実であったのか。と思い知らされた訳です。

 要は、この25年間以上・多分40年近くの間、学校教育の場で男女交際を罰則込みで禁止していた事や、この20年間ほどは「青少年の健全育成」を目的として、子どもたちを如何にして性的なものから遠ざけるか・性交渉を犯罪化していくか。と言うことに、各都道府県や国が競争していったことの結果でもあるし、その中で、主に保守派の政治家が、性教育に対して「過激だ」とバッシングし、東京都の七生学園事件のように、自衛の為の性教育が特に必要な人達に対しての教育を止めさせるために圧力をかけ・人事にも介入してクビに追いやる事をしていった事で、性教育が著しく委縮した事がセットになって、このような事態を引き起こしてるのだと思うのです。

女性の権利を主張する人達までもが、「性の全否定」と「性の法規制」に走った結果として…

 それを推し進めたのは、実は、「女性の権利」を主張するはずのフェミニズム運動*でもあった*訳ですよ。1990年前後の「ポルノ漫画バッシング」以降、フェミニズム運動は、「子供の権利」を大義名分にして、性表現の強い規制や検閲制度の推進を、日本各地で進めていきました。
 男女雇用機会均等法に基づく、男女共同参画事業に、フェミニズム運動は参加していったのですが、その中で行われた議論の中には、「ポルノを社会から排除するための検閲推進」や「子どもたちの性交渉や男女交際を、違法化する事が出来ないか」と言う事が、何度も繰り返しあった訳ですよ。
 男女共同参画と言う美名のもとに、女性全体*のみ*を「被害者」として扱い、男性を犯罪者予備軍として懲罰できないか。と言う議論も、沢山行われてきたわけです。
 一時期、盛り上がっていた、若い人たちの「援助交際」に対する、世間の「ふしだら侮蔑」に近いような批判的で極めて保守的ななまなざしが、その動きを後押ししてきました。

 このような状況で、子供が性に対してどのように捉えていくか?と言うことは、相当前から私は指摘してきましたが、性というものの、本来ある面倒臭さを何万倍にも増幅していくだけだと言うことなんですよ。
 「男女交際すれば、社会的に罰を受ける」「男女交際の結果、妊娠でもしようものなら、学校から排除される」「学校教育では、性交渉を怖いこととしか言わない」。こういうメッセージを、若い人たちは社会全体から、長年受け取ってきた訳です。

少子高齢化や人口減の根本は、「性の社会的否定」と「対立煽り」にある。

 今の少子高齢化は、そのような「恐怖による性的行動の抑制」と、後は、「個人が性的であろうとすることの徹底的な否定」によって成り立ってると、私は思うのです。性的存在であることを表明すれば「ビッチ」だなんだと陰口を叩かれ、スクールカーストの最下位に追いやられ・下手に年上と交際して親バレすれば、相手が犯罪者になってしまう。
 しかも、主にフェミニズム運動側が、男性を犯罪者予備軍もしくは加害者として強く叩き続けてる。
 こんな状況で、若い人たちが性に関心を持つ訳がない。

 性に対する面倒くさい事が、40代以前のの人達の何倍にも膨れ上がっていて、多分、60代以上の人には全く理解できないような巨大な所まで、来てるんですよ。
 そんな状態で、お互いを理解することなど出来る訳もなく、対立を煽る人がいれば、そこに乗っかる人は沢山出るし、そもそも自分は一生孤独でなければならないんだという強迫観念すら、広く蔓延する訳です。

若者を「おじろく・おばさ」に追い込む「純潔社会」を変えていこう。

 これは、人々を奴隷以下の存在として、一部にあった風習である「おじろく・おばさ」のように、人々を追いやり・どんなにひどくて先がない社会であっても変わらないようにして利益を得ようとする人たちに取っては、この上ない「地上の楽園」となるでしょう。実際、今の社会状況や、森友・加計に代表される大疑獄や政治家や官僚の犯罪的な行為が表に出ても正されることがないのは、このように「おじろく・おばさ」に追いやられて無力化された人達が大半を占めていて、ストライキ一つ起こらないからだと、思いますし。
おじろく、おばさ

 ここを、きちんと変えていかないといけないと思うのです。分断されてる人達・「おじろく・おばさ」に追いやられて無力感を自覚できない所まで植え付けられてる人達を、何とか個人として引き上げるためにも、「ふしだら侮蔑」や「純潔主義」、その背後にある「ことなかれ主義」を、法律からなくしていくと同時に、学校教育や社会風潮でも、若者の性的行動を当たり前かつ素晴らしいことだと推奨するように、変えていく努力を、この社会にいる一人ひとりが意識していかないといけないと思うのです。

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