衆議院選挙の結果を見ていて、議員定数があまりに少ないことを実感する。

 衆議院選挙が、ほぼおわりました(これを書いてる正午時点では、投票日の台風の影響で開票を遅らせた選挙区がいくつかある)。
 立憲民主党の大躍進以外は非常に拙い結果になってしまったと思いますが、ただ、「改憲まで一直線だ」「この世は闇だ」「おしまいだ」と慌てふためくのも程々にしないと、今回「してやったり」と思ってるであろう、安倍政権の中の人たちや安倍政権の背後に隠れてやりたい放題しても罪に問われないできた人達の思う壺だと思うのです。
 これから何をしていこうか、何が出来るのだろうか、何故こんな結果になったのか。その辺りを、ノープランで書いていこうと思います。

「全体の15〜25%の人達が、議会の三分の二以上になる」選挙制度の怖ろしさ。

 安倍政権や安倍政権の言いなりのロボットのようにしか動かずめちゃくちゃな法律をめちゃくちゃなやり方で通してきた自民党公明党の人たちに対する世間の批判や嫌気感が、非常に高まっていたのは間違いないと思うし、今後も多分そうは変わらないだろうと思うのです。しかし、過半数どころか憲法改悪や邪魔な議員の除名を無理やり出来る三分の二を越える議席を獲得してしまった。
 しかも、投票率が約50%で、その中の30〜45%程度で殆どの自公の候補が当選してますから、15〜25%の人の支持で当選した議員が多くいる政党で、三分の二以上の議席を独占してる。

 幾らかの人は、「日本人がバカになったからこんなことになったんだ」と未だに言ってますが、そんなことはないでしょう。15〜25%の、自分の頭よりも組織の理屈やボス猿の理屈に従うような人がいれば、圧勝できてしまうような選挙システムこそが、「バカ」なんですよ。

 この部分を、どんどん変えさせないとダメなんです。

 具体的にどういうことか。昨晩、開票速報を夜明け近くまで見ていて、いくつかのことに気づきました。

立憲民主党共産党が、希望の党や自民公明と競り勝った選挙区は、開票率99%などのギリギリまで決着しなかったことが多く見られる。
・五六万票獲得して落選した野党議員がいる一方、数万票程度で勝ってしまう与党議員が散見された。
比例区に絞ってみると、与党ならば数名当選が出来る票数で、社民などの少数政党は、議席を取れないケースが見られてた。

 これらの表現が的確ではないかも知れませんが、少数政党に冷たいと言うよりも、大政党がさらに票を取るようなシステムが完成されてると同時に、少数政党や少数意見を極端に排除できるような議席の少なさになってしまってるのが、改めて確認できたと思うのです。

 「全体の(棄権した人も含めた場合)15〜25%の得票で当選した議員が多く所属してる政党が、議会の三分のニを越える議席を独占する」と言うことは、実は、少数意見どころかこの政党の利益や思想とそぐわないような立場にいる人達の生活が蔑ろにできちゃうと言うことなんですよね。でも、そのように「議会に生活を蔑ろにされる人達」が、半分以上になってしまってる。

 これは、小選挙区制というシステムの根本的な欠陥も相当ありますし、それ以上に、人口に対しての議員定数があまりに少なすぎる事による部分が相当あるのだと思います。
 議員定数を少なくすれば、考えず上の言いなりに投票してくれる人が沢山いる組織が、圧勝できてしまう。今回、「死票」・真面目に投票したのに落選した候補に投票されてる数は、与党など「改憲派」政党への投票を、大きく上回るだろうといわれてますが、それも、議員定数があまりに少なく、野党がバラバラでつぶしあいになってしまったことが影響してます。

議員定数増加と小選挙区制廃止の世論を作っていこう。

 そこらへんを、変えていかないといけないと思うのです。
 今まで、議員定数を増やすことは「税金の無駄遣い」と言われて、タブー扱いされてきました。しかし、議員歳費や運営費用に数千億かかってるのが倍になるにしても、五千億とかそんなものでしょう。そのお金は、例えば、加計学園獣医学部を無理やり認可した結果出るお金とか、原発廃炉にしないで無理やり再稼働させるために「原発ならば安くする」のを維持するために投入されてる税金、アベノミクスのように無理やり株価を釣り上げ円安に無理やりするために使われてる、一日160億円以上のお金をやめれば、すぐに元が取れちゃうわけですよ。

 マスコミは、そんなことは殆ど言わないで議員減らすのが正義だと言ってきましたが、それは、「草の根」「下」の方から、変えていかないといけないとおもうのです。

 少数政党や野党が最初に言い出したのでは、「わがまま」としか世間は捉えないし、実際それを怖れてその手の話は封印されてきていますから、今回のことに問題を感じた人達が、「議員定数が少なすぎる」「もっとたくさんの人の意見が議会に出てくるようにして欲しい」「小選挙区制はもうだめじゃないか」などと意見を出し、政党・特に、立憲民主党社民党共産党に直接声を届けたり、新聞や雑誌の投書欄などを使って意見を表明したり、それぞれが自分の言葉で署名を作って集めてみたりすることで、極めて多様な人達が「選挙制度を変えろ」「議員を増やして国民の問題をちゃんと議会でやってほしい」と、具体的な声や行動を始めていかないとまずいと、私は思うのです。
change.org

 改憲反対や九条改悪反対とは又別の動きとして、そういう形で、政治を庶民に取り戻す事こそ、こんな状況だからなおさら、やっていかないといけないと思うのです。