「平成最悪」の豪雨・大水害での被災者見殺しと、オウム幹部「処刑」から、人を人と思わない偉い人たちについて考えてみる。

 台風が接近したことによる、この何十年かで最悪の大雨・そして、大洪水が西日本を中心にありました。亡くなられた方々の無念や苦しみを感じ、合掌させていただこうと思います。

「平成最悪」の豪雨でも、全国の自衛隊を動かさないで被災者を見殺しにしようとしてる、今の政府。

 さて、この大洪水、これを書いている7月9日の23時で、死者117人・行方不明者79人となっていて、まだ捜索が手についてすらいない所も沢山あって、まだまだ死者や行方不明者が増えていくだろう。と言われています。
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 こんな時に、安倍総理は、フランスの革命記念日の軍事パレードに自衛隊を連れて行って参加させ・今マスコミ報道がほとんどされてない中で無理やり法律にしようとしてる水道の民営化・民間企業が水道を全部支配できるようにする法律で、多くの国で水道を支配することになってるフランスの企業と商談するとまで言われてる事をやるために、フランスなどに行こうとした訳ですよ。結局、フランスの国営テレビからもどうなってるんだという報道がされたりなどあったのと、日本国内のネット世論の反発が半端ないので取りやめになりましたが。
 そして、肝心の災害対策がどうなってるかと言えば、陸上自衛隊の被災地の地元の管区である「中部方面隊」や海上自衛隊航空自衛隊の地元の部隊は動いてますが、他の地域の部隊は、この大雨があった数日間殆ど移動も待機もしないれいるようなんですよね。
 雨が上がり始めた日曜日あたりから、自衛隊のヘリが沢山飛び回って孤立した集落や建物に取り残された人達を救助したり、洪水で土砂が流れ込んで押し流れた人達を、自衛隊の人達が探し出して瓦礫をのけて救出してるか。と言えば、そういう、大きな災害でいつも見られる光景が、今回は殆ど無いわけです。
防衛省・自衛隊:平成30年7月5日からの大雨に係る自衛隊の災害派遣について(08時30分現在)

 何しろ、政府が全国の自衛隊・例えば北海道の部隊を被災地に動かさないものですから、法律でなんとか動くことができる被災地地元の部隊がなんとか動けるだけで、後は消防や警察の人達が頑張るしか無い状態なんですよ。

なんにも真相がわからないままに、無理やり処刑されていくオウム真理教の幹部たち。

 そして、先週は、この大雨が始まった6日に、オウム真理教の幹部たちが、七名も一気に処刑されました。彼らの罪の重さを考えると当然と思う人達もいるのでしょうが、あの一連の事件は、余りに分かってないことが多くて、警察や検察に都合のいい供述を繰り返した井上氏の供述を根拠に、どんどんと死刑が決められ・その後死刑囚たちがなかなか本当のことを世に伝えないという状態で、23年間続いてしまった事件だったのです。
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 地下鉄サリン事件があった当時、オウム真理教の背後には、暴力団がいるとか公安機関のスパイがいるとか、カルト宗教である統一教会(今の家族平和連合)が組織運営のノウハウを伝授したとか、そういう色々な噂話がありました。
 そして、石原慎太郎都知事の四男がオウム信者で、国会議員時代の石原慎太郎氏がオウム真理教宗教法人認定に関わっていたとか、北朝鮮政府が組織的に関わってるとか、北朝鮮の作った覚醒剤や麻薬を日本の社会全体に売りさばく流通ルートになってるとか、そういう話も取り沙汰されていた。
オウム帝国の正体

Aum Shinri Kyo and the Japanese Police

 そういう、非常に闇の深い・あの時代の「おり」のような物がオウム真理教には吹き溜まっていたとも言われていますが、世論がパニック・ヒステリーに陥っただけではなく、マスコミがそれを更に煽り・警察がもっと力をつけないといけない!と言って恥じないジャーナリスト(江川紹子とか)までのさばる中で、どんどんと世の中全体がおかしな方向に向かっていった訳です。

 その前から日本社会は著しく狂い始めていましたが、狂ってる中でも、冷静にならないといけないという人達がいて歯止めになっていたのが、オウム真理教の一連の事件があるなかで、そういう人達が排除され・攻撃され、警察に全て任せて安全安心にならないといけない・個人の権利とか命とか、そういうものは治安を護るためにはどこまでも犠牲にしてもいいんだ。と言う、非常に乱暴な意見が幅を利かせるようになっていった訳です。

強引な処刑と被災者見殺しに共通するもの。

 それを無理やり、終わらせようと今の内閣が強引な死刑をするときめた直後に、この大雨と大洪水です。

 この死刑執行がされる前に、大雨が来ることや、その大雨が今までにないような危険な大雨っだということは、予想されてました。しかし、その死刑執行の前日に、安倍総理や政権党の自民党は、幹部や若手議員を集めて「赤坂自民亭」と言う酒盛りをやってる訳です。
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 死刑執行にサインした上川法務大臣にお酌させたり、安倍総理の地元の「獺祭」と岸田政調会長の「賀茂鶴」、どちらの日本酒を飲むんだと安倍総理が大臣や議員に問いただしたり。
 挙げ句には、上川法務大臣から若手議員から、みんなが親指を立て・死刑執行のボタンを押すかのような身振りをした記念写真を撮ったり。
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 そういう、二重三重に不謹慎だし、それ以上に、大雨が降り始めてたのにそんなことをやるのか。と、多くの人達が怒ってるわけです。

「洪水被害者見殺し」をやるような冷血な人達が政治を占領してしまってる。

 この2つのことや、水道の民営化、後は3月末にむりやり可決された種子法の廃止・自治体が作物のタネを護り、過剰に金儲けの道具にしない法律の廃止なんかは、共通したことがあると思うんです。

 「人の命は、自分達の利益のためだけにどこまでも犠牲にしていいんだ」
 「災害が起きても、多くの人が飢えても、自分達には関係ないし、自分達がさらに都合のいいように物事を運ぶための道具にしていいんだ」

 こういう、ものすごい邪悪な物を私は読み取るし、この50年間近く日本を変えていった人達が変えていった末に、こういう人間としてあまりにひどい考えの人達だけが政治の上の方にいて、人々を護らず、ただの都合のいい「道具」にするようになってしまった。
 一時期、「決める政治」と言うのが非常にもてはやされて、話し合いで物事を決めていこう・法律やモラルに基づいて、時間がかかっても確実にやっていこう。と言う、当時与党だった民主党などの人達を「決められない政治」「スピード感のない政治」だといって、貶すことがマスコミの政治報道やワイドショーなどで、非常に多く行われてた訳です。
 その前・小泉純一郎氏が総理だった時代から、そういう、「スピード感のある政治」が持て囃され、そこに反対する人達を笑い飛ばすことが社会常識のようにされてました。
 それが、多くの人たちに不都合を押し付け、不都合を押し付けられた人が苦しむのも、「自己責任」「努力が足りないからそうなる」。そういう、今考えると非常に身勝手なんじゃないかという考え方が、マスコミで広められ、国も地方も、政治の有り様がそういう乱暴でごう慢なものになってしまい、その結果として、当たり前なんですけど、社会が壊れてしまった。

自分の頭と心で考え続けることの大事さ。

 そして、その末に・「スピード感のある決める政治」が持て囃された末に、今の安倍政権のような、人の命を道具以上に見ないで、大震災や大洪水の被害にあって苦しむ人たちを、最初から見捨ててしまうような人達が、政治の場に、本当にたくさんいるようになってしまった。

 この大洪水の間、ネットを見ていると、「野党が悪い」「事業仕分けが悪い」などと言って、総理大臣たちが被災者を見捨てようとしてるのをなかったことにしたいかのようなツイートや書き込みが、目立ちました。
 被災者が「孤立してる、自衛隊も役所もこない、助けてくれ!」って写真付きで投稿しようものなら、「そんなところに住んだあんたらの自己責任だ」と袋叩きにされてるケースも目立った。
 半分以上は、安倍総理が責任を取らされないように、世間の空気を捻じ曲げようとする人達なんでしょう。
 それに多くの外野の人が「反撃」していて、それはは、数年前とは全く違うことで良いことだと思います。
 本当に、空気を考え・配慮して自分の頭と心で考えるようにしないできたことを、私達一人一人が乗り越えないと、国とか社会とか以前に私達自体が滅んでしまうと思いますので。