日韓対立と「嫌韓疲れ」?と移民受け入れ問題から、見捨てられてきた人々と価値観の再構築について考えてみる。

 一気に寒くなりましたね。本当に、身体が混乱してて、散々な状況です。一週間くらい前まで暑かったので冬支度も大慌てでやって、なんか、どうなってるんだ今年の天気は。と思わざるを得ません。
※この文章は、前回の続きです。
「防弾少年団原爆Tシャツ騒動」から、過剰に寄り添わず突き放すことの大事さを考えてみる。 - 壊れたのだから、直すよりない。@おおた
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色んな所で揉め事が起こってる。

 この間、色々と「もめごと」が起こってた訳ですよ。韓国で戦時徴用工に賠償を命じる判決があって、防弾少年団の問題が起こり、更には日本側が無理やり韓国に作らせた慰安婦に対する賠償を行う財団が解散された…日本に目を向けてみると、フェミニズム運動の支持者達が男性向けの絵柄を中心に、前々から言われてる性暴力だとかポルノだとかだから排除されるべきというのをエスカレートしていく一方で、そこにきちんとした根拠がなく思いつきのようなもので攻撃するしないが決まっていき・学問の場でもそのようなデタラメが長年まかり通っていたのがバレただけでなく、その手の人達の多くがBL・ボーイズラブという、実際のゲイを差別してるのではないかとすら指摘される事がままある「架空の同性愛」を非常に好んで・こちらに関しては最大限擁護し「エロでも性暴力でもない」とダブルスタンダードに徹してるのが、どうやら非常に多くの人達だったというのもバレて、揉め事が非常に大きくなっている。
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 更には、あまりに歴史的事実とかけ離れた「歴史書」を自称してる「日本国紀」と言う本を、百田尚樹という前々から問題発言やら問題行動やら繰り返してた自称保守の人が出し・出版社が物凄いステマを展開して売り出した上に、この中身がWikipediaからのコピペや無断引用が沢山あって、中身の大半が歴史的な事実に反するデタラメ放題だったもんで、これまた大揉めになり始めてる。
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日本国紀こと百田尚樹の日本史がとても面白い(読書感想あり) | Megabe-0(めがび)

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 全てこの世はこともなし。と言う風に皮肉って言うことも出来ますが、実際コレだけ色んな事で揉めることってのはこの数十年なかったことで、ネットで議論して・色々な価値観の人がそれを隠さないようになった結果として、色々な問題のある人が批判されたり非難されたり、逆に他の人に言いがかりに近いような攻撃をするようになっているんだろうな。とも思うし、議論が「自分たちのことを自分たちで決めていく」事のなかで非常に基本的なことで、ここが出来ないとどうしょうもないと言う事を踏まえると、多少はマシな時代になり始めてるんだろうか。とは思うのですが。

嫌韓疲れ」なのに安倍政権支持率が上がる不思議。

 しかし、安倍政権の支持率が非常に上がっていて、理由は何だろうと思ったら、韓国との揉め事・それも、比較的中立な事の経緯を、最低でも日本側の多くの人がわかってないでマスコミが一方的に言う事で起こったと言っていいような揉め事と、流石にこれはダメではないか。と言う行動や発言を韓国側の人達がしたことから始まってる揉め事が、ぐちゃぐちゃに混ざってるような、どう言えばいいような「揉め事」が起こっちゃってることから支持率上がってるんじゃないかと考えてる訳ですね。
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 韓国や在日コリアンとの付き合いが深い友人がクローズドなところで「現状嫌韓ムードが一定程度で収まってるのは世間が嫌韓疲れしてるからなのか嫌韓に限らず排外的な考え方が定着してコレ以上広がらないからなのか」と言う問いかけをしてて、実際のところ私が思うのは、韓国にせよ在日コリアンたちにせよ、いいところも悪いところもある程度日本の人たちに知れ渡って、その事で今までのように浮足立たなくなっただけなんじゃないかと思う訳ですよ。

日韓両方共自分勝手な「歴史」が正しいと教えてきた、戦後。

 戦前戦中と朝鮮半島を日本が植民地にした事が酷かったし、その責任も日本政府が非常にいい加減にしか取っておらず、その事が未だに日韓の間のゴタゴタと直に繋がってることは事実だし、戦時徴用工にせよ慰安婦にせよ、日本側で賠償や和解をする動きがあったのを今の政府がわざわざ潰して回って、裁判だ外交での非難だとあちこちかみついたりけしかけるのは、流石に冗談は顔だけにしてほしいと思うわけですけど、反面、韓国側が「日本の被害者」と言う部分を維持するために、とんでもないデタラメで人の道を踏み外した歴史教育歴史観で人々を長年教育してきたことも、また事実としてある訳ですよ。
 例えば、どう考えても韓国と北朝鮮が独立する前は政治的にも経済的にも価値がなかった竹島(独島)を軍事独裁政権時代に無理やり武力で韓国が占領したのを正当化するために「大昔から韓国領だった」と教育やプロパガンダをしたり、防弾少年団で問題になった「原爆投下が韓国を解放してくれた」と言う事実とはかけ離れた歴史教育をしたり。

 慰安婦像の問題にしても、確かに日本の自称保守の人たちがあげつらうことで問題がこじれましたけど、あのような像を韓国の外で慰安婦問題のアピールのために設置する。それも、在外韓国人が協力して設置する。と言うのは、流石に日本側の「歴史戦」とかいうデタラメな考えに引きずられて行われてるんでしょうけど、そんな事をやったら日韓対立が悪化して、問題の和解とか日本政府などがデタラメやってることをきちんと日本の人たちにわかってもらうとか、そういう事が出来なくなってしまう訳ですよね。
 人間の大半は、どの国であれどの民族であれ、理性と感情という物がびっしりつながってるので、正しい正しくないの前に「むかつく」があると、相手の言う事を聞かなくなる場合が大半な訳ですよ。特に、国の間の国民同士という、対等な関係だと(日米関係と言う例外がありますが)

韓国発の「憎悪犯罪フェミニズム」が日本にも輸入され…

 それに、フェミニズムに関する揉め事で言うなら、韓国のネットコミュニティを出発点にして、男性を憎んで犯罪や攻撃を進んで行うような方向にフェミニズム運動が進んでしまい、その流れが日本側にも伝わって、韓国と同じ様に暴言や嫌がらせを多用したり、気に入らないものを「ポルノ」「性暴力」と決めつけて販売停止に追いやったりする事なんかも起こってしまってる訳です。
 この人達と、そこに同調してきた人達が、今の揉め事の中心にいると言っていい。
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 こんな感じで、「今までの親韓の人達が言うように理想化もされてないけど、ネット右翼的な人達が言うように悪くもない」韓国像というのが、少なくない人達の中にできてきて、民族主義からも距離を起きつつ・自分の持ってる道義や道徳と照らし合わせていい・悪いをいうような人達が増えてることと、「嫌韓ムード」が治まってることは、強い関係があると思うんですよ

 更には、日本が移民を正式に受け入れて、今奴隷以下の扱いをしてるとバラされ始めてる「技能実習生」を労働者として認める代わりに、非常に不安定な立場と安く厳しい仕事の部分はなるべく変えないようにして行こうと無理やりゴリ押ししてるのが、やっぱり影響してる訳ですよ。
 この数カ月間、技能実習生がひどい状況の職場でアレコレいいがかりつけられてお金を給料から差っ引かれたりなんかもしつつ安い給料で働かされて・借金も押し付けられてるから、逃げ出す人達が沢山いることが世間で知られるようになったし、その人達を不法滞在だと捕まえて、入管の収容所に、刑務所どころではない酷い状態で押し込めたりして病気で殺される人や抗議を込めて自殺する人が相次いでることが広まっても来てる訳ですよ。
 「移民受け入れ」の地ならしをしようとして、入管と法務省がテレビで自分たちのやってることの正しさをアピールする番組をやったものの、あまりに都合のいい内容だったために抗議が殺到したのも、その「知ること」に拍車をかけるきっかけになってしまった訳です。皮肉な話ですが、その結果は法務省や入管の望んだのとは逆方向になった人が多いように思いますが。
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 そういうのがあって、日本で多くの「外国人」が、それも白人ではない人達が沢山暮らしていて、定着すらしていて、しかも国の政策や法律の運用が酷いもんだから、非常に不安定な立場で怯えたり隠れたりするように追い込まれてる人も少なくないというのが知られたことも、「嫌韓」ムードが治まってきたことに繋がったんでしょうね。

今まで見えなかったことが見えて価値観が作り直される、今の日本。

 日本では、長年、マスコミなり声の大きな人達なりが伝えることが全て正しいという事が前提で社会の風潮とか価値観が作られてきました。しかし、その事で色んな事が隠され、隠されてたことこそ問題のことも多いのに、それらが見えないことで、他の問題も起こることが多かった訳です。
 そのような「見捨てられた人々」「見捨てられてきたものごと」があまりに多くなり・しかも、それらがあることで声の大きな人達や社会的な力を持つ人達がものすごく横暴になってしまってる。
 そこで押し込められたり悪人でもないのに悪人扱いされる人達は、本当に孤立して、酷い扱いを政治からも社会からも受け続けてきた。日本の自殺の多さも、そこの理由の一つでしょう。

 しかし、限られた範囲で日本にいる人の大半かどうかは疑わしい段階とは言え、ある程度の人達がある程度「知ること」「考えに触れること」で、ある物事に対して初めて真剣に考え、何が悪いのか見出そうとし、それが繋がっていってる訳です。
 今の国会のデタラメ放題やその事に危機感を感じてる人達が孤立させられるような「空気」が今の社会では強くあって、それが安倍政権支持率が上がったもう一つの理由かと思いますが、しかし、この状況も、徐々に変わっていけるんじゃないかと思います。
 既存の声の大きな「インテリ」が信用ならないものとして見られるようになり、彼らの価値観がけして社会の問題を解決しない場合も多いことがわかって、それでも、問題自体は存在するのですから、そこをどうにかしていかないとダメだな…と言う思いは、多くの人が強くなってると思うし、そこからしか物事は始まらないのかも知れない、私はそう思うのです。

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