「自助>共助>>公助」を掲げる菅義偉政権成立前夜に、「人々の内なる安倍政権」に関して、考えてみる(2)

 二週間以上空けてしまいました。すいません。色んな事が起こって考えるものの、考えがまとまりそうになると色々な事が積まれていく。と云う事の繰り返しで、なかなか書き出すことが出来ないでおりました。

※この文章は前回の続きです。※
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自民党総裁選で、菅義偉官房長官が勝利。

 さて、安倍政権の後継の総理大臣に、菅義偉官房長官がなることが確実になりました。この人、真っ先に「自助・共助・公助の順番が重要だ」「公助は最後に行われるべきだ」と言う事を言った訳ですよ。要は、生活に困ってる人や病気や障害で困ってる人は、まず、自分の努力をやって、家族や親戚に助けてもらって、それでもダメならお役所が助けますよ。と。一見普通のことを言ってるかのように見えますけど、生活に困ってる人にせよ病気や障害で困ってる人達にせよ、大半の場合は、自分が最大限頑張っていて今の状況で、家族や親戚が助けられるならば、それこそ自分を犠牲にしてまで助けてきてるけどうまく行かない場合が大半占めてるんですよ。国やお役所が助けられるところを助ける必要は、ものから多くあるし、そもそも誰かの問題を個人の責任にして・家族や親戚を犠牲にさせてやっていこう。というのは、余りに悲惨すぎる訳です。

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「自助>共助>>公助」が既に徹底された介護問題で起こってるのは、大規模な介護離職という悲劇。

 既に00年代位からは「介護離職」 と言う問題が言われてきてました。会社やお役所などでバリバリ働いてきたサラリーマンが、父親や母親が高齢化して介護が必要になったけど、お役所が助けてくれなかったりお役所に助けてもらうのを「恥」だと思い、自分と結婚相手だけで面倒をみるようにしたものの、仕事がやれなくなってしまい、退職。当然経済的に苦しくなるけどどうしょうもなく…親子が共倒れしてしまうケースも、少なくはなかった。
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 個人の問題としては経済的にも精神身体的にも限度を超えて追い詰められるという悲劇ですし、社会全体としてみたら、会社や産業や社会に仕事を通じて貢献できる能力のある「優秀な」人を失うことになるし、それは、新しい人を人材育成することも出来ない事につながるのも多かったと思います。

「自己責任」「自助>共助>>公助」は、少数者の金儲けと引き替えに社会全体の能力を壊していく。

 結局、「自助>共助>>公助」と言う流れが、それをしきりに言う人達がよって立ってる「経済」「企業」と言う物の力をどんどんと奪っていってる訳です。

 「自助>共助>>公助」と言う言いかたは、要は、国や自治体が病人や障害者や老人や貧乏人のためにお金を出したくない。それを言う人達とその「お仲間」がその”むだな”お金を独占したい。と言う考えに基づいてて、企業・特に大企業のお金儲けのために人が存在すべきだという考えとも、見た目は相性が良かったわけですよ。働けなくなった人をサポートするお金は無駄金だから、企業のために使え。これは、小泉政権の少し前から、横浜市大阪市や神奈川県などの「改革派」首長とそれをマスコミでもてはやす人達の間でしきりに言われてたことでもありました。
 しかし、皮肉なことに「自助・共助」を重んじて「公助」を最低限にしようとする動きは、長い時間をかけて、それで利益を得てたはずの企業の力をとことん奪ってしまってた訳ですね。
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 そういう風に、よのなかうまく出来てると言うか巡り巡ってる訳です。


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アベノミクスや財政健全化の影で、人々の国保保険料や年金税負担が跳ね上がってる。

 菅義偉氏の掲げることは、要は、この八年間のアベノミクスに代表されることが何をしてきたか。と云う事ともつながっていて、その中では、生活保護に限らない福祉を切り下げたりお医者さんがやっていく予算を減らす一方で、消費税を上げ、法人税やおかねもちの¥所得税や資産税を減らす。と言う事をやってった訳です。
 年金にせよ国保にせよ、自治体の負担する割合を増やしたことで、多くの場所で、人々が支払う額が猛烈に増えてしまった。
www.jcp.or.jp
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安倍・菅政権の下で、学校のブラック化が悪化し、学校教育が破壊されていった。

 学校にせよ、色々と偉い人達に都合のいいような中身にさせる事がまかり通り、道徳が学校教科にされ、安倍総理におべっかつかうような教科書まで現れるし、偉い人達に都合の悪い歴史的事実をなかったことにしようともした訳です。そして、2006年の第一次安倍政権で決められた「教員免許更新制度」によって、教師が「上」それも教育委員会ではなく市長とか知事とか政府とかの「偉い人達」のご機嫌を損ねることがやれなくなって、その前にも後にもあった「改革」や「教員削減」の方針もあって、学校で子供に教える以外の仕事が沢山教師に降り掛かって学校のブラック化が進みに進んでしまい、今や、マトモな人が教師を目指さなくなり・教師目指す人から生徒にセクハラやレイプなどの事をしたり盗撮目的だったりと言う感じの人が多く出てしまう状況になってしまったんですよね。

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 そりゃそうでしょう、とんでもないブラック職場でブラックな稼業で、給料だって高くないんだから、そりゃ、なんか別の「ごほうび」目当てでなきゃその仕事をやる意味なんか見いだせやしない。

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安倍・すが・今井たち官邸の面々と同時に、ひとりよがりな左派・リベラルがこの状況を作ったのではないか。

 こういう状況を作り出したのは、もちろん、安倍晋三総理大臣であり取り巻きの今井尚哉などの宦官官僚たちであり、実際に仕切っていた菅義偉官房長官(次期総理)であるんですが、そのような人々を暴走させるのを助けてきたのは、実は、左派やリベラルだったんじゃないかと思うんです。

 反安保だシールズだと盛り上がってた14年の前半くらいまでは、まだ、政府のネット工作の人達から嘲笑われる程度の話だったと思うんです。が、その頃から、自分達の価値観が絶対に正しいとして、外側にいる普通の(これは、ネット工作での「普通」ではなく、ほんとうに普通の)人達が素朴に言ってる事に対して、その運動になにか悪いこと言ってる訳ではないのに、なんだかんだと物凄い汚い言葉で攻撃してくる人達が目立ってきた訳です。

「オタクはネトウヨレイシスト」と言う乱暴すぎる決めつけが、左派の味方になるはずの人々を失う入り口となっていた。

 例えば、「オタクはネトウヨレイシストだ」と言う、全く身勝手な思い込みをネットで振り回し、中立な態度であった人達だけでなく、左派の運動に理解を示してる「オタク」に対してまで殴りかかるかのように暴言をぶつけ、「お前らの原罪を認めろ」と迫るような人々が、特に反差別運動に関わってる在日コリアンの人たちのなかから複数出てきて、どんどん雰囲気をおかしくしましたし、フェミニズムを信奉する人達が、それに負けじと「ネトウヨキモオタの”ズリネタ”の自由を許すな」と攻撃を行いだした。

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 要は、個別の問題に限るなら、本来味方に出来た可能性の高い人達を、真っ先にやり玉に挙げて「こいつらは最悪の悪人だ」的な物言いも使って攻撃し、「政府やお役所はこいつら取り締まれ」とも声高に言っていった訳です。

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勝手に悪人だと決めつけられて根絶やしが要求されが「オタク」側が、反撃に出た。

 最初は、言われた側は我慢してた訳です。嵐がすぎるまで頭下げてればいい。という人達の声が大きかったから。
 でも、段々と、具体的な物を、明らかに非常識なものの見方を根拠にして取り締まれだ社会から追い出せだといいだした物ですから、流石にこれはダメだと考えた人達が、声を上げ始めた訳です。私が、15年の後半にやった「碧志摩メグ公認廃止するな署名」は、そういう声を上げ始めた人達を一つの塊として見せて助け、その上で、公認廃止を撤回してもらう成果を挙げることが目的でした。
 その後三千人以上の署名と熱い声を関係者に届けましたが、 結局、志摩市の公認は「碧志摩メグを作った会社の方から」取り下げられましたが。しかし、非公認の観光キャラクターとしては、ちゃんと生き残って、今も伊勢・志摩の観光のアイコンとして、愛され続けています。

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・左派・リベラルの独りよがりな人達が暴れてるのを見て、「ギャラリー」たちも離れ、あきらめの境地に。

 そういう事があってから、「無関係のはずの人達を罵る人達」は、更に怒った訳です。ここまで来ると、安倍政権とかそういうのは「おまけ」になってしまい、「自分達に歯向かうキモオタどもとそいつらが好む物」を根絶やしにすることが目的化してしまった訳です。

 その後も、多くの、女性の姿を描いたコラボやポスターや絵が、「性的搾取」「性暴力的」などと攻撃され、そのたびに争いになっていきました。多くは生き残りましたが、潰されたものも少なくはない。
 そして、「潰されない」ケースが徐々に増えていくと、「潰せ」と言う左派やリベラル側はどんどんと口が汚くなっていった。自分達が絶対に正しいのになんで逆らうんだ。こいつら、安倍政権と一緒の悪人だ。と言わんばかりに。

 最早、対話が成立する状態ではなくなってしまった。

・左派・リベラルに、勝手に叩かれた側が自民党などの「右派」にすがるのは当然だった。

 こうなると、悪だキモオタだなんだと叩かれてた人達が「右」「お上」要は、自民党の側にすがろうとするのは当然と言えば当然なんですよ。だって、物凄い勢いで攻撃してくる人たちのことを「左」「中道」は野放しにするどころか「仲間」として尊重しちゃってるんですもの。そういう人達がいる以上、「左」「中道」に入って状況を変えることは無理だ。と絶望に近いものを抱える人が沢山出てしまったのは、当然のことだったと思います。
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 そして、それは、直接叩かれたり叩かれてる人と似た属性の人達がそういう風に離れただけでは終わらない訳ですよ。周りで見てる「ギャラリー」からしたら、それなりに筋道立てて自分のことを説明し理解を求めてる「キモオタ」と呼ばれてる人たちに対して、「左派」「リベラル」の人達が「お前はネトウヨだ」「性的搾取してるセクシストだ」などとはなから決めつけてすごい汚い言葉で非難して屈服させようとしてる訳で。

 しかも、自分達が掲げる事は、特定の属性の人達を神様のように言う代りに、古臭く・時代おくれなだけでなく長年多くの人々を苦しめてきた道徳観の焼きなおしばかり。どこが、安倍政権の周囲にいる日本会議統一教会の道徳観と違うのかすらわからないしろものの始末。

 ギャラリーたちからしたら、「キモオタと呼ばれる人達に対しては中立になれても、”左派””リベラル”はダメだ。この人達は、無理」ってなるのも、心理的には当然だし、それを言う人も少なからずいたんだけど、左派やリベラルの人達は「お前もキモオタの仲間だろ」「お前もネトウヨなんだろ」っていきり立つばかりで、話にならない。
 こうなったら、「安倍政権がまだまし」って諦めの境地に入ってしまう人が、ギャラリーからたくさん出てしまうのも当然だったと、思うのです。

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福島第一原発事故の後、原発事故の矮小化に走った半分程の「リベラル・左派」の人々。

 原発事故でも、東京都知事選でも、一部の人達が「左派」「リベラル」の代表者であるとして、それに反する意見や人を潰して回ることが、2013年の後半辺りから目立ってきてたわけです。それまで左派・リベラルの中では「どうやって被曝を下げるか」「汚染された食べ物を人々に食べさせない為にやるべきことを政府がやれ」と言う意見が多かったのに、「放射能汚染は大したことなかった」「汚染された食べ物の事や病気のことを言うのは福島差別だ」と言う人達が現れて、あれよあれよという間に「汚染大した事ない」「現実を言ったり伝えたりするのは福島差別」と言う人達が多くを占めてしまった。

 社民党原発事故の写真に「やさしい社会をめざす」と言う意味のキャッチフレーズをつけたポスターは、「右」からだけでなく「左」の一部からも猛烈に叩かれ取り下げられましたし、毎日新聞がJR富岡駅(だったとおもう)の横に大量に積まれた除染後の汚染された土を入れたフレコンバッグの写真を掲載したら、「福島差別だ」と攻撃された。

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 テレ朝「ザ・スクープ」でビキニ環礁の水爆実験でそこの人達が受けた仕打ちと福島の原発事故で被災地が受けてる仕打ちをリンクして放送しようとしたら「福島差別」と袋叩きにされて、放送内容を大きく変える羽目になった訳ですが、それを最初に番組非難のために取り上げたのは、安倍政権に近いメディアではなく、左派系のメディア中心に書かれてるライターさんだったことなんかが、本当に象徴的でした。

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 子宮頚ガンワクチンで副反応の被害に遭って人生を壊された人達やその家族が、治療と補償を求めて立ち上がり、寄りそうお医者さんや治療法を研究しようとする学者たちに対して、沢山の誹謗中傷や捏造に基づく記事が、右派メディアのWedgeだけでなく、左派メディアのバズフィードや論座、後は左派文化人たちから浴びせかけられ、「子宮頸がんワクチンは絶対に安全だ」「被害を訴えてる人間は精神病だ」と言う事を率先して言うのは、今や、左派の文化人やメディアやなんやになってしまってる。

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・「安倍政権の時代」に左派やリベラルの多くが腐敗し、人々と敵対する存在へと変質してしまった事で、沢山の人々が「あきらめ」に追い込まれた。

 こういう事が、特に2014年から2018年くらいまでの間に、日常的に起こってた訳です。
 「左派」「リベラル」をやってきた人達の少なくない割合の人々が、安倍政権やそれを担ぎ上げてきた人々の側に、物の見事に取り込まれ、彼らが前に出なくても前に出て彼らに都合悪い事を叩く「新選組」へと成り果ててしまった訳ですね。

 このような状況になると、現実に起こってることで苦しんでる人達・なにか動こうにも動く余裕がない「公助」が絶対に欠かせない人達は、あきらめていくしかなくなるんですよ。
 誰も宛に出来ないし、だれも共に立ち上がってくれない。と言う、無力感が先に出てしまう。

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 安倍政権が、末期まで極めて高い支持率であり、選挙でも自民党が勝ち続けた背景にあった極めて低い投票率と言うのは、「諦めを押し付けられた人達」のとんでもないまでの多さが起こしたことだと、思います。

 安倍政権を支持する理由が「他に適切な人がいないから」がずっと多かったのは、要は、社会や政治に対して関心を払う余裕が人々にないと同時に、「この状況は絶対に良くならないから現状維持以外の選択肢がない」と言う、よく考えたらおかしいんだけどそう思うしかないような、極めて深刻なあきらめの感情から来てたと思うんです。

 そして、多分、社会の二割くらいは、安倍政権のように「他の人達の福祉や利益をカットして、自分達とお仲間にすべて廻す」やり方で大きな利益を受ける人達でもあるのでしょう。大企業の正社員にせよ、何らかの(安倍政権が利益を与えると決めた)利権に関わる人達でせよ。

 そうなると、選挙制度がダメな問題(別の機会に書きます)も災いして、自民党が支持と不釣り合いなくらいに議席を独占し、「この道」をエスカレートさせる。

 その繰り返しが、菅義偉という人が総理大臣になることで、続けられ、多分、今までよりもエスカレートしていくのでしょう。

 そういう事を招いたのは、別に「ネトウヨ」「保守」だけが悪いのではなく、「左派」「リベラル」にも大きな責任があり、ひょっとしたら、「右」の側よりも重大な責任があるのではないか。そう思うんですよね。

 自分達が、多くの人々をあきらめの境地に追い込んだのだと、自覚を迫られてると思います。

 今回、韓国のお気持ち民族主義者たちがハワイ在住のフィリピン人を攻撃して、フィリピン人の人達が反撃して揉めてる、通称、#cancelkorea 騒動について書きたかったのですが、これはまたの機会に。

(この項続きます)

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