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森友疑獄の根本には、選挙制度「改悪」があるのではないか。

 間が空いてしまいました。

 森友学園疑獄や加計学園疑獄に限らず、総理や総理夫人周辺で沢山のスキャンダルと、官僚が「忖度」した事によって起こってる法令違反行為やその他の「ありえない」動きが沢山国会で追及され報道されてるにも拘わらず、今の政権が退陣も解散総選挙も行わない背景について、少し趣を変えて考えていきましょう。

 「非常に強い内閣」「安倍一強体制」というものが、背景にはありますが、つまりは、自民党の中の人事もお金の流れも安倍晋三氏が握ってしまい、逆らう人が殆どいなくなった事や、自民党が圧倒的に多数の議員を送り出してるので無理やり通せば何でも出来てしまう状況なのが、安倍政権にせよその周辺で媚びへつらうために法令違反行為を繰り返してる官僚たちにせよ、一向に責任を取らない背景にあるわけですよ。そして、それは、今の選挙制度の問題・特に小選挙区制や比例代表制の問題に、直結していく訳です。

小選挙区制度や比例代表制度の弊害。

 小選挙区制とは、一つの選挙区…例えば神奈川1区なら神奈川1区の範囲からは、一人しか議員を出さないような制度な訳です。そうなると、どれだけあいさつ回りして顔を売れたかとか、バックに大きな組織を付けられたかで、勝負の大半が決まってしまうわけですよ。そこには、その人が何を議会でやりたいかとか、日頃から何を考えどうするべきと言ってるか。と言う話は、全く入ってこない。

 比例代表制では、政党が選挙の基本単位になります。従って、政党に所属しない・意見も既存の政党とは異なる人達は、ここでも出るのが非常に困難で(何千万円もの大金を投じて、自分の政党を作って、そこで法律に定められてる人数を候補に出せば出られはしますが…)、しかも、組織力のある政党以外には票が集まらないから、ここでも多数派政党が有利になる。

 世の中には多くの意見があり、多くの望みや利益利害というものがあるのですが、今の選挙制度は、そもそも非常に狭い範囲の利益利害しか代弁してない上に、政党の中でもごくごく一部の人にお金や候補の割当てに関する力が集中するような制度になっているので、なおさら狭い範囲の利益利害だけが政治で強調されてしまってる。

 そうなれば、多くの人は「選挙に行っても変わらない」「デモなどをしても変わらない」と、政治に関わることを諦め始めてしまいますから、そうなれば、少数の利益利害で国を廻したい人達にとってはボーナスステージとなり、自分たちの組織票だけで国を支配したかのような事を出来てしまう。これが、今の状況なんだと思うのです。

1980〜1990年代の政治報道のおかしさが、この事態に繋がってる。

 従って、小選挙区制度や比例代表制度が、実は今起こってる日本の多くの問題の根本と言うか、巡り巡ってこの事態になってるわけですが、なんでこれが出来たかと言えば、1994年に小選挙区制が出来るまでの約10年間、ものすごい勢いで小選挙区制や比例代表制がこの国の選挙制度に持ち込まれていったわけですよ。


 その中では、マスコミが半ば主導するようにして「小選挙区制で腐敗はなくなる」(当時、中選挙区制の下での「金権選挙」が長年の問題になっていた)とか、「政党主体の選挙こそがあるべき姿だ」と、毎日毎日喧伝していったわけですよ。そして、その動きを批判したり反対したりする人たちが、軒並み「国の腐敗を許している国賊」的なレッテルを貼られてニュースや政治バラエティで、それこそものすごい勢いで怒鳴りつけられまでして非難され、みんな「金権政治家」的な悪いレッテルを貼られて選挙報道で非難されるのを怖れて、批判する人達は黙ってしまった訳ですよ。


 殆どの政党や言論人が、黙るか「選挙制度改革」に賛成するかのどちらか(私の記憶では、最後まで黙らなかったのは共産党くらいだった)に態度を決めてしまい、反対する人が殆どいなくなった中で、これらの選挙制度改革が決められていきました。

 私は、あの時の怖ろしさ・ファシズムに片足を突っ込み始めた怖ろしさと同時に、当時のマスコミの報道の酷さというものを、今でも鮮明に覚えているわけです。

絶望は、又、希望を作るチャンスにもなる。

 あの頃といわず、そのずっと前から、この国の選挙も政治も、日々を生きてる人々とは非常に遠い距離にあって、政治家とコネでも出来なければ意見を世の中に反映する事が不可能に近かったのですが、小選挙区制や比例代表制がこの国の国政選挙に入ったことで、その事が決定的になってしまったと、私は思うし、そこを、これからは変えていかないといけないと思うのです。

 今、安倍政権は徹底的な独裁体制を作り上げてきて、もう何歩かで完成しそうではありますが、そのことで、多くの困ってる人達が無視され・踏みにじられている一方で、上の方の人達が自分たちの中だけで大金を廻し、法律を無視しねじ曲げ、自分たち以外にはどんどんと厳しい法律を押し付け、なんでも逮捕して罰せられるようにしようとしてる訳ですよ。共謀罪のように。

 これだけ、急激に社会を崩壊に追い込んでしまっていることは、裏返せば、それまでの社会の有り様や選挙制度の有り様の結果であるし、それだけ、「現状を変えないといけない」と言う人たちへの不条理な批判を押さえ込める可能性が上がってることでもあるんですよね。要は、変える変えると言って悪い結果を放置してきたんだから、マシな方向に、変えろ。と政治家達やマスコミ達の中でもまだ善意と良識の残ってる人達の背中を推し、尻を叩き、もっと広い範囲の利益利害や意見が、政治や社会に反映させられるようにしてほしい。という流れを、これから一人ひとりが作っていくいいチャンスにも、なってるように思うのですね。