北朝鮮と米中韓の「歩み寄りの輪」から、外された「幼稚で粗暴な日本」。

 一気に本題に入ります。
 北朝鮮金正恩労働党委員長が、朝鮮戦争の停戦ラインである38度線のラインを徒歩でまたいで韓国を訪問しています。この時に、金正恩委員長は、韓国の文在黄大統領が「北に行けるだろうか」などと話したのに対して、「一緒に渡りましょう」と言って、手をつなぎ38度線を北朝鮮側に二人で渡り、再び韓国側に戻る。なんていう、アピールをしたり、「未来志向で考える」「平和な時代にする」など、色々なことをアピールしていってます。
 この北朝鮮の「変化」、今に始まったものでもなく、半年くらい前から日本語放送(朝鮮の声)で「先軍政治」と言う言葉が使われなくなり、「主体思想」というのも余り使われなくなり…と言う「なんだろうこれは」と言う兆候はあったんですよね。で、この数ヶ月で、弾道ミサイル核兵器の開発が「完成した」として、アメリカとの対話に入ることを言い出し、それから雪崩が起きるように、アメリカとの対話もCIA長官が行って金正恩と話を付けたり、金正恩が鉄道で北京に赴いて、習近平と会談し、非常に手篤くおもてなしを受けたり、最大級に褒め称えるような報道を中国のマスコミがやったりするような事になってたわけですよ。
 その中で、韓国と北朝鮮の首脳会談という、一回二回あっても、韓国側が「保守派」・要は軍事政権の生き残りのような人達に政権交代してひっくり返されたりして話が進まなかった事を、文政権が安定してる今の内に、一気に話を進めよう。と言う事になってるわけです。

さて、日本は…?

 この十五年以上、「拉致問題」を理由にして、北朝鮮はすぐにでも日本に攻めてくる!みたいに、日本に住んでる人たちの中に不安や恐怖を煽るような動きばかりが大きな顔をしてのさばり、その人達は、拉致問題の解決には、とにかく圧力だ!解決するまで圧力をゆるめるな!と叫び実行して、その「後ろ盾」として、拉致問題での「被害者家族」を担ぎ上げてきた訳ですよ。
 そして、それが拙いのではないか。そもそも、北朝鮮と約束して「一度被害者を帰国させる」と約束したのを反故にして、北朝鮮に戻さなかったのは、後々まずいんじゃないか。と言う、冷静な意見に対して、「こいつらは北朝鮮の味方だ!」みたいな事をマスコミも「保守派」の口を借りてくりかえし広めてましたし、ネットなんかは、それこそ、自民党ネットサポーターズにつながるような人達が、非常に大きな顔をして自分達の意見以外を黙らせ・孤立させ始めた時代でしたから、なおさらそういう事が言えなくなっていた訳です。

 こういう「空気」が作り上げられ、強硬な圧力路線を主張する政治家や「拉致家族会」に対して、少しの批判も疑問も許されないという、怖ろしい空気が、作られていったわけですが、それが、2018年の今どきまで続いたことで、今回の朝鮮半島の平和化の流れから、日本だけが積極的に外されてしまう。と言う、最悪の結果になってしまった訳ですよ。

 小泉元総理大臣が北朝鮮に訪問し、当時の金正日総書記が拉致問題を認めた時(2002年)に、私はこんな事を書いて、当時の2ちゃんねるなどで散々な言われようをされてるわけです。(載せていたプロバイダが、夜逃げ倒産してしまってアーカイブリンクを探すのがめんどうくさいので、リンクを張りません。)

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拉致問題

今まで、日本では「北朝鮮」が人をさらって奴隷同然にしていると言う、荒唐無稽な話が真実だと信じられ続けてきましたが、しかし、それを「北朝鮮」政府が認めてしまった。

このことを単純に「”北朝鮮”がやっぱしやっていた」とするのは、愚直な反応です。

確かに拉致はあったかも知れないが本当はなかったのかもしれない

今更、何故こんな事を言うのか?

それは、拉致問題はじめ色々な日本と「北朝鮮」の間のしこりとなっていた事を「我々が全てやっていました」と言う事により、外交の主導権を日本から全て奪う事が出来る…そしてそれはピョンヤン政府の延命を日本に支援させる事を意味する…と言う計算があったからです。

政権延命と言う「大義」と比べれば、汚名を着る事や人を殺す事などなんでもない。と言うのが、政権につくような人間の常です。

ピョンヤンは日本政府が「”北”が拉致を認めなければ支援を打ち切る」と言う方向で固まっていた事を把握していた。

逆に、日本政府の言う事を全て認めて形だけでも頭を下げれば大量の支援が見込める事も計算していた筈だ。

それらを考えると、ピョンヤンが全てを率直かつ正確に語ったかどうかと言うのは、非常に疑問が残ります。

今後の事務的なやりとりや民間レベルでの情報ややりとりなどを、冷静かつ熱く見続けていく必要がありそうに思います。

北朝鮮」出身者への差別

この「会談」の結果を受けて、在日「北朝鮮」出身者や「北朝鮮」と交流があった人々に対するいやがらせが続出しています。

元々、http://news2.2ch.net/newsplus/2ちゃんねる」などでは、元々朝鮮半島や中国の人への差別が渦巻いていましたが、今回の「会談」の結果はそういう鬱屈した日本人の卑屈な根性に火を注いでしまったようだ。

我々日本人は、潔さや寛容さを失ってしまったのだろうか?非常に嘆かわしい事です。

結局、2002年の私の警句通りに、ろくでもないことになってる日本国内。

 まぁ、この時危惧していたとおりに日本国内が流れてしまい、マスコミもきちんとその事にくさびを打つどころか、くさびを打てばすぐに拉致家族会やそこに連なる政治家が、ひどい言葉で脅すようなことを言うものだから忖度して言うがままになってしまい、結局は在特会みたいな人達が「北朝鮮への恐怖」と「韓国への嫌悪」、「外国人への恐怖」なんかが煽られてる世相を背景にのし上がって、今のぐちゃぐちゃな世の中の有り様が出来上がってしまった訳ですよ。
 そして、それらのことが、そもそも拉致家族会を味方につけることで第一次内閣の総理大臣になったと言ってもおかしくない、安倍晋三という、今再び総理大臣になってむちゃくちゃやりたい放題してる人物を大出世させることに、ダイレクトに繋がった訳です。

 しかし、その事は、特に韓国や中国などの、日本の周辺各国にとっては、非常に不安要素になってる訳ですよ。
 とにかく外国の脅威を煽ってくる上に、外交センスがなく、札束で相手国をねじ伏せる以上の「芸」のない、日本の外交姿勢や、北朝鮮や中国の脅威を、必要以上に煽り、国際法で認められてることまで大騒ぎするようなことで、無茶苦茶な軍事拡大(でも、兵器を買ったり使いみちに困る部隊を作るだけで、自衛隊全体の現場全体が疲弊してる)を押し通しだしたりするような、今の政権というのは、いつなにをするかわからない。と言う意味で、北朝鮮以上に得体が知れない、言い方は悪いけど「狂犬」みたいな見られ方をされるようになってしまってる。

 しかも、アメリカやロシアみたいに元々強気に出てくる国に対しては、国のおかねも市場も人々の生活も大盤振る舞いで明け渡すだけでなく、北方領土みたいな長年もめてるところを、なんのこともなくロシアに引き渡したりまでする訳です。

 日本の外交が、尊敬されるわけがなく、軽蔑しか産まれてない。

「幼稚で粗暴な狂犬みたいな人々」にされるがままの、日本の不幸と堕落。

 しかも、森友問題以降、この国を全て来た人々のでたらめさ・法治国家を自称してるのに全く法に縛られずに、わがまましてもわがままが押し切られてるような幼稚な人達に、この国が支配されてるに等しいと言うのが、どんどんあからさまになってる訳です。
 オリンピックの裏金問題や、東芝の破産に代表される、大企業の数々の不祥事と、そこに経産省という今の政府を仕切ってると言ってもいい省庁が主導的役割を担ってる事なんかもそうだし、株や円の相場の市場に、今までなら許されないような多額のおかねを投入して、無理やり価格を吊り上げてきたことなんかも、そうでしょう(このことは、アメリカからもヤメロと繰り返し警告されて、今はできなくなりつつありますが)。

 だからこそ、今回の「朝鮮半島平和」で、露骨な「日本外し」が行われてしまった訳ですよ。

 幼稚で粗暴な「狂犬」みたいな人達が、朝鮮半島の平和化にも、核廃絶にも、大きな障害になってる。このことで、アメリカだけでなく、中国・韓国・ロシアなどが、一致してしまってる訳です。

みんな一人一人が長期的に物事を考え、きちんと考え、意思表示することの、大事さ。

 日本のマスコミは、このような非常に長い時間で物事を考えて、書いていく。と言う態度自体を、この三十年間で、どんどんと捨て去ってしまいました。
 だから、目先のことばかりが洪水のように報道され、そして、それが後々間違っていた。となっても、そのことは、本当にわずかな時間しか、報道されない。
 今も、日本が露骨に外されてる。と言う事は、なかなかマスコミで出てこないし、ネットでは最近やっと言っても許される空気になりましたが、その前は、そんな事を言ったら「北朝鮮の手先」みたいに攻撃されるのがお約束でした。

 今こそ、今まで朝鮮半島のことや在日韓国・朝鮮人の事をやってきた人達が、今の政権や自称保守のような「圧力をかけるしかない」でやってきた人々に対して「あなた方の幼稚な外交が失敗したことで、日本は大変なことになった」と、声を上げ、レッドカードを突きつけてほしいと思います。

 私達一人ひとりが考えていかないといけないことは、今回のことだけでもたくさんあります。

 只、今言えるのは、日本の「幼稚で粗暴な狂犬みたいな人達」が、このまま黙ってはいないだろうし、裏からアメリカや韓国を切り崩そうとしたり、最悪の場合、北朝鮮の「不満分子」に手を伸ばして、クーデターをけしかけるかも知れないな。と言う不安はあります。
 その事を防げるのも、日本の人々・日本の国民がきちんと「もう、北朝鮮の脅威がどうこうとかミサイルがどうこうで振り回されたくない」「振り回されない」って意思表示をして、世間話から議員などへの話などまで、ネットでのつぶやきとかも含めてあらゆる範囲で示していくしかないんじゃないのかなぁ。と、思うんですね。